虫歯(齲蝕)とは、ミュータンス菌などの虫歯菌が出す酸によって歯のカルシウムがとかされて穴があいてしまう病気です。 むし歯(齲蝕)は進行して重症になるまで自覚症状が出にくいためほぼ無症状で進行することが特徴です。 また、むし歯は、自然治癒することはありません。早期発見、早期治療が重要になります。
むし歯(齲蝕)は、様々な要因が重なって発生します。 その要因のうち大きく関わっているのが、糖質(ショ糖)、原因菌(ミュータンス菌等)、歯質(エナメル質・象牙質)です。
口の中の原因菌であるミュータンス菌等が糖質を取り込んで歯垢を形成し、その中でミュータンス菌がさらに増殖して、糖質から酸をつくりだします。
酸によって歯質からカルシウムやリンが溶け出し、進行すると歯に穴があいた状態になってしまい治療が必要になります。
むし歯の治療においてはできるだけ初期の段階で発見することによって治療の範囲を最小限にし、なるべく患者さんの負担を抑えたいと考えております。
またむし歯の進行具合によって、治療法は異なります。的確な診査診断の上口腔内の状態に合わせた治療をご提案いたします。
表面に麻酔薬を注射する部位に塗り、針を刺すときの痛みを無くします。
また、注射の針は細いほど痛みは少なくなるため、現在発売されている中でも一番細い針(33G)を使用し、麻酔薬をゆっくり注射することで痛みを抑えます。
また、当院では治療における安全性と患者様の負担軽減を考慮して、Er:Yagレーザー(エルビウムヤグレーザー)を導入しております。
Er:Yagレーザーは、従来のむし歯治療と比べて非常に痛みの少ない治療が可能です。 痛みが出にくいため注射による麻酔が必要ない場合が多いです。
また従来の虫歯の治療はドリルやバーを使って虫歯の部位を除去する方法が用いられてきましたが、殺菌できないため虫歯菌の感染層を確実にとろうとする結果、取り残しがないように余計な健康な部位も切削していました。
神経に近い深い虫歯の場合、ドリルの発熱が伝わり、歯の神経を刺激して処置後の痛みが出やすかったのですが、深い虫歯の場合、Er:Yagレーザーで殺菌しながら選択的な虫歯の除去を行えば健全な歯を削りすぎずに済みます。
虫歯は進行具合によってC1,C2,C3,C4に分けられます。
・状態…エナメル質限局した虫歯
・症状…歯の表面のエナメル質溶けて穴があいた状態です。冷たいものがしみることがありますが、まだ痛みを感じることはほぼありません。
・治療法…虫歯で穴が空いた部分を削り、レジンという歯科用プラスチックを詰めて治療します。
・状態…象牙質にまで進行した虫歯
・症状…エナメル質の内側にある象牙質まで虫歯が進行した状態です。冷たいものや甘いものがしみるようになり、ときどき痛むこともあります。
・治療法…虫歯で穴があいた部分を削り、レジンを詰めるか型を取ってインレーと呼ばれる詰め物を詰める治療を行います。
・状態…神経まで達した虫歯
・症状…虫歯が神経まで達した状態で冷たいものの他熱いものがしみるようになり、何もしていなくても激しく痛むようになります。
・治療法…歯を残すことは可能ですが神経を除去し根管治療が必要になります。 神経が入っていた管(根管)の内部を消毒して薬剤を詰め、根の中が完全にきれいになったら根の中に最終的な薬を詰めます。 その後、土台を立ててクラウンと呼ばれる被せ物を被せる治療を行います。
・状態…歯根まで達した虫歯
・症状…虫歯菌によって歯の大部分が溶けてなくなり、歯の根まで虫歯に冒された状態。神経が死に、激しい痛みはなくなりますが、歯根部に膿が溜まると再び痛みが出ます。
・治療法…歯を残すことはできず、残念ながら抜歯を行う必要があります。 痛みがなくなったからといって原因が解決したわけではなく、そのまま放置しておくと、根の先に潜んでいる虫歯菌によって痛みが起こり、 顎骨骨髄炎という重篤な症状を引き起こしてしまいます。このような状態になった歯は決して放置せずに抜歯を行わなければいけません。 抜歯後、入れ歯やブリッジ、あるいはインプ ラントなどで失った歯の機能を回復するための治療が必要です。